光の干渉、回折
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解説
は波動特有の現象である。ヤングの2スリット実験(1801)で光が回折と干渉を起こすことが示され、光の波長も求められて、光が波としての性質をもつことが明らかになった。(後にアインシュタインによって、光が粒子としての性質ももつことが、示された。1905)
ただし、光の波長は、普通の物質の大きさに比べて、極めて小さいので、スリットの幅が非常に小さく、また、光路差が十分小さいとき、回折や干渉が顕著になる。

光の干渉条件
屈折率が n の媒質中の距離 l (エル)を真空中の距離に換算したものを光学距離、または、光路長という。真空中の光速を c とすると、屈折率が n の媒質中では、光速は c/n になるので、光が距離 l を進むのに要する時間 t は



この間に光が真空中を進んだとしたら、その距離Lは



これが光学距離であり、光学距離 L = 屈折率 n × 幾何距離 l と表される。光の二つの道筋の光学距離の差を光路差という。
光路差をΔ(デルタ)、真空中の光の波長をλ、整数を m とすると、光の干渉条件の式は

Δ =  (強め合って明線)

Δ =  (弱め合って暗線)

(ただし、反射などで位相がπずれるときは上の条件式が逆になる。)

屈折率が異なる媒質の境界面での反射による位相のずれ

屈折率(小)→(大) 型反射になり、位相が
屈折率(大)→(小) 型反射になり、位相が
(参考:屈折率の違いによって、なぜこのような位相のずれが起こるかは、理論的には難しいが直感的理解には、動画「reflection & transmission」をみるとよい。動画中のimpedanceの大小は屈折率の大小と関係し、波の動きにくさと関係がある。)

ヤングの実験
単色光源から出た波長λの光が第一スリットS0、第二スリットS1、S2で回折し、この2つの経路の光が干渉して、スクリーン上に明暗の縞をつくる。下図において、d や x が L に比べて極めて小さいとき角度θは微小になりsinθ≒tanθの近似式が使える。


光路差Δは

Δ=S2P-S1P

 ≒dsinθ

 ≒dtanθ

 

よって干渉条件の式は m を整数として

 (強め合って明線)

 (弱め合って暗線)

明線、暗線の位置 x は

 明線

 暗線

明線間隔をΔxとすると



したがって、スリット間隔 d が小さいほど、また、波長が長いほど、干渉縞の間隔がなる。

関連動画:「ヤングの実験」

回折格子
ガラスなどにこまかく等間隔ですじを引いたものを回折格子といい、すじとすじの間隔を格子定数という。回折格子に単色光線を入射させると、図1のようにそのまま直進する光線のほかに、数本の回折光がみられる。

図2は、多くのスリットを通って直進する 0 次の回折光と1次の回折光の一部を拡大したものである。

光の波長をλ、格子定数を d 、回折の角度をθとする、隣り合う光線の光路差は dsinθであるから、θの方向にm次の回折光ができる条件は

dsinθ =

ヤングの2スリットによる干渉縞と違って、回折格子では多数のスリットからの光が干渉するため、上の条件が満たされない場合は、打ち消しあいがおこるので、明線が鋭くわかれ、明線以外のところは全面的に暗くなる。この様子を下の動画で見てみよう。

関連動画:「回折格子」

薄膜による干渉
薄い膜や薄い空気層によって反射した光が干渉することがある。図1は石鹸膜、図2はくさび状空気層、図3はレンズとガラスの隙間の空気層で、いずれも層の厚さを d とすると、2つの反射光の光路差は往復 2nd となるが、片方の光線が反射で位相がπずれるため、干渉条件が逆になり、m=0,1,2...として

  反射光が弱めあう 

  反射光が強めあう

ただし、n は屈折率で、空気層では n=1 である。
図2では、等間隔の干渉縞ができ、図3では中心から離れるほど干渉縞の間隔が狭くなるニュートンリングができる。
図1   図2   図3

関連動画
「ヤングの実験」
「回折格子」
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